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豪華客船でフェイクな蜜月

豪華客船でフェイクな蜜月

豪華客船でフェイクな蜜月
著: 真崎ひかる
発行: イースト・プレス
レーベル: アズ・ノベルズ
ジャンル:オレ様 御曹司

ゲームで駐車中のベンツに悪戯書き…… 
そこへ運悪く車の持ち主が……。
眼光鋭く尊大オーラを放つその男に、青ざめる大学生の皇。
ところが意外にも……「おまえの十日間を買ってやろう」―― 
その男、伊織は二階堂財閥の御曹司で、皇に豪華客船の見合いクルーズに恋人兼小間使い役で同伴しろと言う。
こうして皇は慣れないセレブな空間で、ドキドキの十日間を過ごすことに……。
欲望と隣合せの船上の偽装愛


皇を見下ろす二階堂を、怯(ひる)んでいると思われないよう…… 鋭い目で睨みつける。同性の二階堂を怖がっていると見透かされるのは、屈辱だった。
そうして睨む皇を、二階堂は楽しそうな目で見下ろしている。
「んー…… ちょっと、色気を出させてやろうと思ってな。このままじゃ、後からおまえを恋人だと発表しても信憑(しんぴょう)性がねぇなー……」
二階堂は勝手なことを口にして、皇の唇を指の腹でたどった。
ゆったりとした口調からは、緊張感をまるで感じない。皇一人だけが、場の空気を変えようと焦っているみたいだ。
天井に取りつけられたライトの光を背に見下ろしてくる二階堂を見ていると、あの夜、ホテルの一室でファーストキスを奪われたことを瞬間的に思い出してしまった。どうして忘れていられたのかと、不思議なくらいだ。
あのキスといい…… この手のからかい方をするのは、悪趣味ではないだろうか。
「つーか…… 冗談、だよな?」
頭上にある二階堂の顔を見ながら、恐る恐る尋ねる。
二階堂はうっすらとした笑みを唇に浮かべ、押さえつけていた皇の肩から手を離した。
よかった。やっぱり、皇をからかうための悪趣味な冗談だったのか。
そう安堵して気を抜きかけたところで、食いつくように唇をふさがれた。

→「豪華客船でフェイクな蜜月」をダウンロードして読む


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