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モカの誘惑

モカの誘惑
モカの誘惑
著: 剛しいら
発行: フロンティアワークス
レーベル: ダリア文庫e シリーズ: カフェシリーズ
ジャンル:外国人 業界人 富豪

新人アナウンサー・久留米真昼の夢は自分の番組を持つ事だが、来るのは朝のニュースの仕事だけ。
そんな時、特別番組のリポーターとしてブラジルへ行く事に。
そこで真昼が出逢ったのは日系四世の珈琲王・モトキだった。
広大な珈琲農園と大企業を持ち、明るく大らかな性格のモトキは誰からも好かれているのに、何故か真昼を気に入ったと言う。
しかも真昼を激しく誘惑してきて――!?


「敵前逃亡ってやつです。逃げるが勝ち」
少し古い表現で言ってみた。するとモトキは、あははと大口を開いて笑い出した。
「そうか、逃げか。それは素晴らしい。足も速いってことだろ」
「まぁ、速いです」
「でも俺から逃げられるかな?」
モトキは急に真顔になると、じっとモトキを見つめた。
「グレイシー柔術って知ってるか?」
「はい、もちろん」
ブラジルの格闘家が、柔道をベースにして作り上げた特異な柔術で、絞め技では世界一と言われているのがグレイシー柔術だ。
「俺はグレイシー柔術の黒帯だよ」
「……」
だから何なんだ。いきなりここでそんなことを言われて、こいつは何にでも勝ちたいやつなのかと、真昼は困惑する。
素晴らしいですね。私にもグレイシー柔術の素晴らしさを、機会があったら教えてくださいくらいの、愛想のいいことを言ってみたいものだが、素直に言葉が出てこない。
あなたは凄い人ですと、そんなに言われたいのかと少しむかついていたからだ。
モトキが素晴らしいのは分かっている。大金持ちの成功した実業家で、この外見だ。ウイットに富む会話が出来、英語と日本語とポルトガル語、さらに別の国の言葉だって話せるだろう。
称賛されて当然なのだから、これ以上初対面の人間に新たな称賛を求めるのは、しつこくて嫌みに感じられた。
「真昼、本気でかかってきていいよ」
モトキはいきなりシャツを脱ぎ、上半身裸になって来いというように手を動かした。
「駄目ですよ。ここはゲストルームでしょ。飾ってある花瓶とか、壊したくありません。それに万が一、モトキさんの顔を傷つけたりしたら、朝野ディレクターに何て言われるか」
「そんなこと気にするな。いいか、真昼、実際にホテルのこんなタイプの部屋で、いきなり襲われることだってあるんだぞ」
「いずれ、また別の機会に」
けれどモトキは、人の話なんて聞いていなかった。いきなり真昼に襲いかかってきたのだ。
挨拶のハグには、気軽に応じる。けれど攻撃される時は別だ。
真昼は反射的に、モトキの腕を一瞬で払いのけてしまった。
「あっ!」
まずいと思ったが、腕はそのままモトキの腹に拳をめり込ませてしまった。
素人ならここでうっと 呻 うめ いて、前のめりに倒れてしまう。けれどモトキの見事に割れた腹筋は、真昼の拳をすんなり受け止めた。
「す、すいません」
けれど謝っている場合ではなかった。モトキは殴られてもめげずに真昼の腰に抱きつき、そのまま勢いよくベッドの上に押し倒してしまったのだ。
組み敷かれたら、明らかに不利だ。柔道の返し技で外さないといけないが、グレイシー柔術の絞め技にかかっては、そう簡単に外せない。
「うっ」
腕の関節をぎゅっと絞めてくる。これがグレイシー柔術の必殺技で、下手に抵抗すると骨が折れるか関節が外れる。
冗談ではなく、モトキの強さは本物だった。
「まいりましたっ」
素直に負けを認めてしまえ。余計なトラブルはごめんだと思ったが、モトキはまだ真昼を自由にするつもりはないのか、巧みに手足を絡みつけて、真昼の自由を完全に奪ってしまっている。
「逃げか? でもこれが、真昼を本気で狙ってる相手だったらどうする? この体勢からだと、逃げられないぞ」
「顔、殴りたいけど、あなたには……出来ない」
「そうだな。俺はフェアじゃない。真昼が俺を殴れないと知ってて、やってるんだから」
「……い、痛いです。腕、外してください」
「外してやってもいいけど……キス、一つ」
「……?」
「もらうよ」
モトキは顔を近づけてきて、いきなり真昼の唇を奪った。
「……」
真昼の脳裏には、背中に羽をつけてサンバを踊る、半裸の美女が突然浮かび上がる。
ここは情熱の国、日本の裏側、何もかも反対に位置する国。
そんなことは分かっているが、サンバの美女のようなセクシーな女性が溢れているこの国で、なぜ、日本から来たばかりの男にキスするのか。
しかも挨拶程度のキスなら冗談ですむが、本格的にディープなキスになってきて、これはまずいと真昼も顔をずらして抵抗せずにはいられなくなってきた。
「んんっ! んっ……はっ、はぁっ、ま、まずいですよ、それはっ」
やっとモトキの顔を押しのけたが、まだしっかり抱きつかれている。体重は軽く十キロはモトキのほうが重いだろうから、簡単にベッドから突き落とすことも出来なかった。
腕は外された。けれどまだ 痺 しび れたようになっている。これでは殴ったところで、モトキにたいした痛手を与えることは出来ないだろう。
「いいか、真昼。日本じゃ、そう簡単に男を襲うやつはいないだろうが、国によっちゃ平気で襲うこともあるぞ。油断はしないこと」
「い、いつもは油断なんてしてませんよ。相手があなただからでしょ!」
「でもパンチは効いた。まだ腹が痛い」
モトキは真昼に自分の腹部を見せる。そこはうっすらと赤くなっていた。
「すいません……つい」
「強いのは分かった。俺は、強い男が大好きだよ」
再び顔が近づいてきたと思ったら、またもや真昼は抱きしめられて、激しいキスをされてしまった。

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