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わがままプリズナー
わがままプリズナー
著: 有栖川ケイ
発行: 二見書房
レーベル: シャレード文庫
ジャンル:富豪 主従関係
柏木梓は裕福な家庭に育ち、才気・容姿ともに恵まれた、人もうらやむ高校生。
ところが両親の急逝によって20億もの借金を抱え込むことに。
そんな法律も世間の常識も知らず途方に暮れる梓に手をさしのべたのは、若き実業家・生沢恭介だった。
彼を頼らざるを得ない梓に対し、恭介は鬼畜な本性を隠さず、梓の身体も心も支配していく。
その一方で恭介の元妻との復縁話も持ち上がり梓の立場はますます不安なものに――。
隷属を強いられる梓に明日はあるのか!?
なぜ、こんなキチクに惚(ほ)れちまったんだろう………
いや、違う。惚れてなどいない。単にセックスに溺れているだけだ。そうに決まってる。でなきゃ悲しすぎる………
梓(あずさ)の心は大きく揺れていた。
「十日ぶりだね」
息を呑(の)むほどの美び貌ぼうに蕩とろけるような笑みを浮かべた生沢(いくさわ)恭介(きょうすけ)は、アメリカ出張から帰ってくるやいなや、梓の手を引っ張って強引に寝室へと連れ込んだ。
有無をいわせずベッドに押し倒すと、当然のことのようにのしかかってくる。
「今日は……ダメだぜ」
梓はイヤイヤをするように、恭介の下でもがいた。
「どうして?」
「テスト中だから」
「試験は日頃の成果が現れるものだ。前日に詰め込んでもなんにもならないよ」
恭介は全体重をかけ、梓の小さな抵抗をやめさせようとする。
「そうはいうけど、明日は苦手な古文だからさ。気合い入れて、さらっておかねぇとヤバ……い…」
最後までいい終わらないうちに、恭介の唇が重なってきた。
中間試験の最終日に向け、ラストスパートをかけていた梓の事情などお構いなしだ。
「もうっ…」
咄嗟(とっさ)に顔を背けて、一旦は逃れたが、所詮(しょせん)は無駄な抵抗である。
ジタバタともがく梓を余裕で組み敷いた恭介は、再び力強く口づけてきた。
すぐさま舌が挿(さ)し入れられて、敏感な上顎(うわあご)をなぞりはじめる。
ゆっくりと這(は)うようにそこを攻めると梓がどうなるのか、知り尽くした動きがしばらく続いた。
「んっ………」
昂(たか)まるものをこらえ切れず、湿った吐息が糸を曳くように漏れる。
梓の抵抗が確実に弱まっていくのを直(じか)に認識した恭介は、十日間の空白を埋め尽くすべくより情熱的なキスでとどめを刺していった。
口腔(こうこう)の粘膜をすべて刺激して、欲情が奮い立つ魅惑のキスだ。
「どう? 感じただろ」
互いの唾液(だえき)が混ざり合い、べとべとになった唇のまわりを舐(な)め回しながら、顎に舌を移動させた恭介が蠱惑(こわく)的にそそのかしてくる。
「とにかく、今夜は……」
眼(め)まで潤んでいるのが自分でもわかるほど興奮していながら、梓は意地を張った。
本心では恭介に抱かれたい。目覚めた身体(からだ)は、すでに次の行為を欲している。
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