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眠らないケダモノ

眠らないケダモノ
眠らないケダモノ
著: 六堂葉月
発行: フロンティアワークス
レーベル: ダリア文庫e 
シリーズ: ケダモノシリーズ
ジャンル:美少年 オレ様

ごく平凡な大学生の榊原連太郎と村瀬一明が運命的に出逢って1年。
香港マフィアの御曹司である一明の恋人になったおかげで、今までの平穏な人生ではありえない物騒な出来事に何度も遭遇してきた。
今回も一明の従弟でトラブルメーカーの秀華に泣きつかれ、抗争事件の最中に行方不明の李を捜すため香港へと向かった一明と連太郎だったが……。
シリーズ第5弾登場!


「デリケートな私の、傷ついたハートを今すぐに介抱してもらわないと」
「ウソつけっ」
一明は傷ついたというより、むしろ連太郎を苛める理由ができて嬉しくてたまらないという顔をしていた。
部屋の中央にある大きなベッドヘ、一明は悠然と長い脚を組んで腰掛け笑う。
「ウソをついたのは誰が先だっけ?」
「…うっ」
それを言われると立つ瀬がない。
「なんで…わかった?」
連太郎が恐る恐る尋ねると、
「聞きたい? じゃあ座りなさい」
一明は自分が座っている横をポンポンと叩く。
場所が場所だけに、これからの目的は明らかだ。
だが、逆らうともっと怖いことになるのはわかっている。
連太郎がビクビクと一明の横に腰掛けると、一明はゆっくりと語り始めた。
「何か隠し事があると、よほど訓練された人間以外は態度が微妙に変わってくるからね。それにクリニックのあの電話、ちゃんと着信履歴が残るんだ。今時、公衆電話からかけてくるなんてそうはないし。ちょっと尋ねたら、有給三日で交渉成立」
ニッコリとこちらに微笑む顔が恐ろしい。
絶対裏で何かよからぬコトを考えている顔である。
水原も、この笑みの迫力には勝てなかったのだろう。
有給休暇三日で裏切られても仕方がない気がした。
「私もね、べつに怒っているわけじゃないんだよ。ただ一言、先に相談してほしかったな…と思ってね」
一明は大袈裟にため息をついて、そう言ってきた。
確かに黙っていたのは悪かったかもしれないが、自分と同性の男を恋人として紹介できるわけがない。
「でも、だからってこんなトコ、連れてくる必要ないじゃんか…」
「私が恋人だと恥ずかしい?」
唐突な問いに思わず照れながらも、連太郎は口早に訴えた。
「違うよ。男が恋人ってのが、常識的に変だってだけだ。先生に言ったら、ややこしいコトになりそーだったから黙ってたんだよ」
「ふーん。心外だ。私は連太郎に信用されてないんだ」
一明はじーっとこちらを見つめてくる。
意地悪なこの男は、連太郎の罪悪感を煽あおって楽しんでいるのである。
「……黙ってたのは、俺がわるかったよ。ほんとに反省する」
とりあえず、連太郎は頭を下げてそう詫びた。
確かに自分にも非があるのは事実だ。
「だからさ、せめてここからは出ないか?」
本気で一明が怒っているわけではないのはわかっているが、こんな場所でコトに及ばれるのはやはり勘弁してほしいのである。
無論ここはそういう場所なのだが、だからこそなおさら嫌であり、たとえその気があったとしても、周囲のエセくさいアラビアンな装飾では萎えるというものだ。
しかし、そう簡単に一明は連太郎を放免してくれるつもりはなさそうだった。
「ここじゃ気に入らない? 車中のほうがよかった?」
「そーじゃなくて…っ」
答えようとした連太郎の唇に一明はチュッと軽く口づけると、
「連太郎が私に隠し事をするなんてねぇ…ショックで心臓が小鳩のようにうち震えているよ」
鳥肌の立つようなセリフを囁く。
「早く癒してもらわないと、ね」
(いったい全体、サディストをどー癒せっちゅーんだよ?)
想像するだけで卒倒したくもなる。
(だいたい、自分の日頃の行いを棚に上げてさっ)
なぜこちらばかりが責められ罪悪感を持たねばならないのかと、だんだんと腹立たしくなってきた。
「先生だって、いつもいろいろ隠し事するじゃんっ」
連太郎がそう強く言い返すと、一明はニヤリと口端を上げた。
「反省するって言った人間が、口答えする?」
そう、彼は待っていたのだ。
連太郎にその一言が囁けるそのときを―――。

「そーゆー悪い子は『おしおき』だ」

絶対最初から、これを楽しみにしていたに違いない。
「なんで…っ!」
連太郎の悲鳴にも似た抗議は、肉食獣のように瞳を輝かせた一明に問答無用とばかりにそのまま濃厚なキスで遮られた。

→「眠らないケダモノ」をダウンロードして読む

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